こんにちは!
プレイボゥのトレーニングマネージャーの赤堀です。
前回は「犬に何かを克服させる時は無理をせずに少しずつ」というお話をしました。
それでは、どのように克服させてあげるべきなのか。
これは正解はひとつではないので、具体的なやり方を文章で記すのは難しいのですが、犬が苦手に直面した時に、どんなことを大切にしたら良いのかということから考えていきたいと思います。
例えば、あなたが出かける前、ケージに愛犬をいれようとして抱っこしようとしたとします。
すると、愛犬はあなたから逃げるように離れていってしまいました。
「でも、もうすぐ家を出なくちゃいけないから、ケージに入れなきゃ!」
と焦ったあなたは、愛犬を追いかけ、もう一度抱っこを試みようと手を伸ばしました。
次の瞬間
「ガブッ!」
あなたは愛犬に咬まれてしまいました。
それ以降、愛犬はあなたが触ろうとすると唸るようになってしまいました・・・。
こんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか??

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咬まれると思っていなかったのに咬まれた場合、ショックですよね・・・
でも、ちょっとしたことでこの事態を回避してあげることができるかもしれません。
ここで、気づいていただきたいのは、
「愛犬は、いきなり咬んできたわけではなく、まずは“逃げる”ということで意思表示をしている」
ということです。
犬は「興味・関心があるものには近づき、回避したいものからは離れます。」
非常に単純なことですが、これに気づくだけでも犬のことを少し理解してあげることができます。
では、ケージに入れたい時、抱っこをしようとしたら逃げられる、もしくは嫌がられたらどうしたら良いか。
大抵の場合、犬は「これからケージに入れられるんだ」と感づいている場合が多いです。
なので、いつもは問題なく抱っこ出来る犬の場合でも、この時は逃げたり咬んだりするかもしれません。
まず、逃げたり嫌がられた時点で、追いかけるのではなく、「どうやったらだっこさせてくれるかな?」ということを考えてあげてほしいのです。
例えば、大好きなおやつを使って、犬の方から近づいてくれるようにするとか・・・
犬がクレートやキャリーを好きであれば、一度その中に入れて、ケージの中まで連れていくとか・・・
そもそも抱っこしないでも、おやつやおもちゃの誘導でケージに入ってもらうとか・・・
抱きかかえてケージに入れられることは、犬の気持ちを無視していることになってしまいます。
犬が自分の足で入って行くなど、犬が納得してケージ内に入ることを選択すれば極端に逃げたり嫌がることはなくなるはずです。
もちろん、必要な時だけケージやクレートに入れようとするだけでは、なかなか犬もケージやクレートを好きにはなってくれません。
日常生活の中でケージやクレートに慣らす機会をたくさん作ってあげる必要があります。
そして、この時絶対に無理に入れる、ということをしないようにします。
しかし実は、もっと楽な方法があります。
それは・・・
「そもそもケージ(クレート)を使い始める時におやつやおもちゃで誘導し、子犬の頃から怖い場所ではない、ということを教えること」です。
トレーニングは「改善」よりも「予防」の方が何倍も楽なのです!!!

ハウスに入る犬
すでにケージ(クレート)をあまり好きではない犬も、上述したように、地道に根気よく慣らしていけば、少しずつ入れるようになるはずです!
諦めずに頑張ってみましょう!!
ちなみに、抱っこについて少しお話をすると・・・
犬は本来、地面に四つ足をつけている動物なので地面から浮いている時間が長いと、不安になると言われています。
また、子犬の頃から抱き癖がついていると、成犬になって不安を抱きやすい気質になる、とも言われています。
子犬の頃から地面に足をついて、自立することで自信がつき、堂々とふるまえるようになるのです。

抱っこは良い?!
抱っこすること自体がいけないわけではありませんが、必要以上に抱っこをするのは、犬にとってはあまり良いことではないとされています。
例えば、犬同士のあいさつの時に、抱っこした状態で相手の犬に近づけたりするのも逃げたくても逃げられない状況なので、非常に危険です。

犬のご挨拶
人も、自分の意志で近づいたり離れたり、自由にできる方がストレスが少なく過ごせますよね。
犬たちには臨界距離(社会的距離)というものがあり、その距離よりも近づいてこられると逃げたり、攻撃行動に出ると言われています。
次回はこの臨界距離のお話をいたします。
お楽しみに!