犬をしつける時期とは

社会化トレーニングの必要性

しつけとはそもそも何なのか?とお考えの方も多いと思います。

犬のしつけとは
『犬が現代社会において人と暮らしていくためのルールを学ぶ事』
だと、私たちは思っています。


そのルールには個人個人いろいろなお考えがあることでしょう。
中でも共通しているのは、無駄吠えでご近所からクレームがきてしまったり、人や犬に攻撃を仕掛けてしまうなどといった行動は、現代社会に適さない行動なのではないでしょうか。
では、そのような行動をしないように、犬をしつけるのに適した時期はいつからなのでしょう?

実はそのような問題行動が出始めてからしつけるのでは遅いのです。
そのような行動が出てくる原因はもっと根底の部分にあります。

社会化期の月齢の子犬

犬には社会化期という限ら れた期間があります。
犬はこの社会化期には、いろいろなものに馴れやすい時期なのです。
そして、この社会化期は生後約3カ月までといわれており、この期間を過ぎてしまうといろいろなものに馴れづらくなってしまいます。
なので、この社会化期という期間の中で経験しなかったり、経験の少ない事に対して恐怖心から吠えたり攻撃したりといった問題行動が起こりやすくなり、これらの問題行動を治すことが難しくなってくるのです。
そのような事のないように子犬を迎え入れた瞬間から、これから経験するであろう様々なものに馴れさせる『社会化トレーニング』を始め、それらがしっかり定着するよう1歳になるまでは継続して『社会化トレーニング』を行うことが大切です。

お座りや伏せなどのしつけ以前の、
やり直しのきかない
必要不可欠なトレーニング
『社会化トレーニング』です。

人に会わせましょう

子犬が家に来たら、男性、女性、小学生や幼稚園ぐらいのお子さん、乳児、制服の人、杖を突いたご老人、めがねを掛けた人、ひげを生やした人、などなど、色々なタイプの人からおやつをもらったり遊んでもらったりという経験をさせて、人間っていい動物なんだな!と思わせることです。
今後子犬が出会う可能性のあるタイプの人全てにできるだけ慣らす必要があります。

家族以外の人間からおやつをもらう子犬の写真

犬に会わせましょう

その次に大切なことは、子犬が一緒に遊べるタイプの子犬や成犬と数多くの犬と、短時間無理の無い程度に遊ばせてください。この場合絶対に無理は禁物です。攻撃的な犬、激しい遊びをする犬、支配的な犬は避けてください。犬との遊びの中で嫌な思いをすると一生犬嫌いになってしまう可能性もあります。

犬同士のふれあい

いろいろな場所に連れて行ったり、いろいろな音を聞かせましょう

子犬を無理の無い程度に、人混みやドッグカフェなど色々な場所に連れて行き、車の騒音や奇妙な音にもなれるようにすれば、不審な音に対して将来吠えることが少なくなっていきます。

ワクチンの摂取が終わっていない子犬は、抱っこして外に連れ出して、色々なタイプの人からおやつをもらう経験をさせたり、車に乗せて外出して、車の中から他の犬を見せたりしてください。
子犬はこのような努力をする事でフレンドリーな性格になり、どこにでも連れて行ってもらえるかわいい成犬に成長します。

初めてのものになれるトレーニングをする犬の写真

犬の噛み癖について

犬の咬み癖とは?

子犬が咬みつくのは正常な行動です。子犬は、子犬同士の咬みつき遊びによって咬む力の抑制を学習していきます。相手を強く咬んでしまうと怒られたり、相手にしてもらえなくなってしまい、他の犬に遊んでもらえなくなってしまいます。
社会性を持つ動物の犬は、相手にされなくなることが何よりも辛いことなので、咬む力を加減して遊ぶことをすぐに学習します。

自宅に子犬を迎えたら、子犬同士で遊ぶ機会は非常に限られてきますので、犬の保育園は咬む力の抑制を学習する理想的な場所となります。
子犬同士で遊んだ経験が無い犬は、咬む力の抑制を知らずに育つことになりますので、将来成犬になった時、犬同士の喧嘩が起きると相手に致命的な怪我を負わせてしまう可能性があります。

人に対しての甘咬みは遅くても生後5ヶ月までに止めさましょう。

犬同士のコミュニケーションを学ぶ

甘咬みを止めさせる“しつけ”の手順

① 咬んだら去る
甘咬みを止めさせるには、まず、少しでも手に歯が当たった時、偶然にでも手に歯が当たった時に、子犬がびっくりするほどの大声で『痛い』と叫んでその部屋を2分ほど去ってください。
子犬はびっくりすることと、一人ぼっちになってしまう事で咬む力を抑制し、最終的には人には歯を当てなくなります。
洋服のすそやズボンのすそを咬んでくる場合も同じように『痛い』と叫んで、その部屋を立ち去ります。
甘咬みの犬
② 根気よく繰り返す
これを、歯が当たるたびに繰り返して下さい。何度か繰り返されると犬も歯を当てると嫌な事があると学習していきます。
ただし、『痛い』と叫んだ時に子犬がびっくりしていないようだと効き目は薄いかもしれません。
そのような時はびっくりするような音を探してみてください。

※上記の方法は、子犬を想定しての噛み癖の対処方法です。成犬で噛み癖のある場合や攻撃性が著しい場合などは直接ご相談下さい。

犬のトイレのしつけについて

トイレのしつけとは?

トイレトレーニングは、子犬を迎え入れたその日から行わなければいけないしつけですね!
子犬のかわいさから多くの飼い主さんはついつい自由にさせてしまいがちですが、これが失敗のもと!
トイレシーツを敷いていても、ほとんどの場合違うところでしてしまう事でしょう。
教えられてもいないのにトイレシーツでしないといけないなんて思わないのは当然の事!

なので、子犬を迎え入れたら直ぐにトイレトレーニングを始めましょう!

トイレトレーニングの手順

① まずはサークルとクレートを用意しましょう。
サークルは「トイレ」、クレートは「おうち」のイメージで、隣同士に並べます。
② サークルにトイレシーツを敷き詰めます。
既に足をあげておしっこをしてしまう男の子は壁側にもトイレシートを用意しておきます。
サークルにトイレシーツを敷く
③ 子犬をサークルの中に連れて行きます。
おしっこが膀胱にいっぱい溜まった子犬は敷き詰められたトイレシーツの上で排泄すると思いますが、おしっこをしない場合はするまで注意深く見守ってあげて下さい。
ただし、子犬の気が散ってしまいますのでサークルの目の前に立って子犬を見ていないでください。
(あなたも目の前でジーっと見られるのは嫌ですよね)
トイレトレーニング
④ 子犬が排泄をしたら『おやつ』をあげて、サークルのドアから出して自由にさせて下さい。
子犬はトイレシーツの上で排泄をすると『おやつ』がもらえて自由にしてもらえるのでトイレシーツの上で排泄する事を覚えていきます。
⑤ 子犬から目を離さずに観察して下さい。
自由になった子犬は部屋の中で遊んだり、眠ったりすると思いますが、子犬が排泄をするためにソワソワしたらタイミングを見逃さずにすぐにサークルの中に連れて行きます。
サークルの中のトイレシーツで排泄をしたら『おやつ』をあげてまた、自由にしてあげます。
特に、寝起きや食後、遊んだ後などは排泄をしやすくなるので、そのような行為の後はサークルに連れていきましょう。
トイレ後に眠る犬
⑤ コツは失敗をさせない事です。
トイレを覚えてないうちは、ちょっと目を離した時に違うところにされる事は当たり前のように起こります。
少しでも目を離す時は、手順①で用意をしたクレートに入れて失敗をさせないようにしましょう。
最初はクレートの中でもしてしまう事があるかもしれませんが、ほとんどの場合よっぽどの長時間でない限り、巣穴を汚さないという本能からクレートの中でしないようになっていきます。
(子犬の場合、1~2時間おきに出してあげた方がよいでしょう)

個体差はありますが、1~2週間もすれば子犬はトイレの場所を理解してきます。
子犬がトイレの場所を理解してきたら、サークルのドアをあけて子犬が自由に入れるようにしておきます。
除々にトイレシーツの枚数を減らしてみたり、サークルをはずしても構いません。
もし、それで失敗するようでしたら、もう一度最初と同じようにしてしっかり覚えさせていきましょう。

トイレのしつけに際して“お願い”

トイレのしつけは『失敗をさせない事』『目を離さない事』『たくさん褒める事!』

子犬が失敗してトイレシーツ以外の場所で排泄をしてしまっても決して叱らないようにしましょう。
子犬は排泄行為を叱られると思い、飼い主さんのいないところや隠れて排泄をするようになってしまう可能性があります。

上手にトイレができた犬の写真

お家でのしつけがうまくいかない時には…

プレイボゥの犬の保育園には、ドッグトレーニングだけではなく、犬のことについて学んだプロのドッグトレーナーがたくさんいます。
愛犬の困った行動は、習慣になってしまう前に、まずはお気軽にご相談下さい。